食後の血糖値の急上昇を防ぐ6つの方法

血糖値の急上昇は太る原因になるだけでなく、糖尿病など生活習慣病のリスク増大にもつながります。普段の食生活の中でほんの少し食べ方を工夫するだけで血糖値の急上昇は抑えることができ、肥満防止にもつながります。

1.血糖値とは

血液中のブドウ糖の濃度のことです。健康的な人の場合、通常、空腹時の血糖値は80-100mg/dL程度で、食後は若干高くなります。

血液中の糖分はすべての細胞のエネルギー源であり不足すると大変なことになります。反対に血糖値が高いと血管や神経を傷つけてしまいます。基本的に血糖値は常に適切な範囲内でなくてはならないのです。

血糖値はすい臓から分泌される、血糖値を下げる「インスリン」や血糖値を上げる「グルカゴン」などのホルモンによって適切に保たれています。

2.血糖値が急上昇するとなんで太るの?

肥満

糖質など血糖値を上昇させやすいものほど太りやすい、とよく言われます。ではなぜ血糖値が上昇すると太るのでしょうか?

食事を摂り血液中にブドウ糖が増えると血糖値は上がります。そうすると血糖値を一定に保とうとインスリンが分泌され、ブドウ糖をエネルギーに変え利用しようとします。(血液中のブドウ糖を減らし血糖値を下げようとする)しかしエネルギーに変えても不要となって余ってしまった分は体脂肪として蓄えられてしまうのです。

また血糖値を急上昇させると、体は血糖値を一定に保とうと急いで下げる働きをします。そうして急激に下げられると空腹感などを感じて、また急上昇させようとしてしまうのです。甘いものなどを食べてもしばらくすると、また食べたくなるのはこうした反応を引き起こしているからなのです。

3.血糖値の急上昇を繰り返すとどうなるの?

どんどん体脂肪が増え肥満になっていくというのは言うまでもありません。またもっとも恐ろしいのは糖尿病などの生活習慣病のリスクです。

血糖値の急上昇を繰り返せば、まず膵臓に多大な負担を強いることになります。膵臓の機能が低下し、インスリンの効きが悪くなったりして血糖値を安定させることができなくなり、血糖異常を引き起こすのです。糖尿病などの代謝性疾患について詳しくは「糖尿病サイト」をご参照ください。

4.血糖値を急上昇させてしまう食べ方

  • 最初にご飯など炭水化物から食べる
  • 早食い
  • 丼物など炭水化物主体のメニューが多い
  • 食物繊維を摂らない
  • 糖質の摂りすぎ
  • 空腹時間が長すぎる

太りやすい人は食事のメニューや食べ方に共通点があります。また血糖値を急上昇させる食事を長年続けて行くと肥満だけでなく、様々な身体トラブルを引き起こす原因にもなります。特に現代社会では血糖値を上昇させやすい環境がありふれています。

  • 24時間のコンビニ
  • 糖質主体のレトルト食品
  • 多種多様なお菓子類
  • ストレス

だからこそ、自分の体を守るための食事や栄養に関しての正しい知識が必要になるのです。

5.血糖値を急上昇させないための6つの方法

血糖値の急上昇を抑える食べ方をご紹介します。

5ー1.食べる順番を変える

食べる順番を変えるだけでも血糖値の急上昇を抑えることができます。食物繊維には糖の吸収を遅らせる働きがありますので、食事の最初に食べるといいでしょう。そして肉類、魚などのタンパク質、最後に炭水化物であるご飯類という順番で食べるようにします。

食べる順番としては次のようになります。

  1. 野菜、豆類、海藻など食物繊維を含むもの
  2. 肉類、魚などタンパク質
  3. 炭水化物類(ご飯)

5ー2.水溶性食物繊維を取り入れる

食物繊維の中でもセルロース、キシラン(キシロース)、アガロース、アガロペクチン、グルコマンナンなどには糖の急激な吸収を抑える作用があり、血糖値の急上昇を防いでくれます。

また食物繊維自体が分解・消化に時間がかかるため、食事の際に食べると、血糖値や脂質濃度の急上昇を防ぐことができるのです。食事の時は必ず食物繊維類のメニューを入れるようにしましょう。(1.で解説した通り、食事の最初に食べるとより効果的です)詳しくは「食物繊維の種類と働き」をご参照ください。

5ー3.お酢を摂る

酢には血糖値の急上昇を抑える働きがあることが様々な研究でわかってきています。なぜ酢が血糖値の上昇を抑えるかについては様々な要因が指摘されていますが、酢の成分である「酢酸」が関係しているのは間違いなさそうです。

酢を摂ると食物の胃から腸への移動が遅くなります。それによって血糖値の上昇を抑えることができます。また酢酸によって唾液の消化酵素の働きを弱まります。それにより糖質の分解が遅くなり消化がゆっくりになることによって、血糖値の上昇が抑えられるのです。

5ー4.ゆっくり食べる

人は食べ始めてから満腹中枢が働き満腹感がでるまでに15〜30分くらいかかります。食べるのが早い人は満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまうのです。

よく噛んでゆっくり食べることで食べ過ぎを防ぎ、急激な血糖値上昇を防ぐことにもなります。またよく噛むことで唾液の分泌を促すことにもなりますし、胃腸での分解・消化の負担を減らすことにもなります。早食いの改善に関しては「早食いが太る4つの原因と改善方法」をご参照ください。

5ー5.糖質を摂りすぎない

太りやすい人の食事の特徴は主食(ご飯などの炭水化物)の割合が非常に大きいパターンです。特に夕食はその後エネルギー源を使うことが少ないので、エネルギー源になる糖質は少なめがよいです。(糖質制限のように全く摂らないのはよくありません)

同じ量を食べるにしても、主菜、副菜の割合を多くして、ご飯など炭水化物の量は少し控えめにしましょう。

5ー6.食間を空けすぎない

空腹時間が長いことも血糖値を急上昇させる原因です。朝食抜きで昼食、忙しくて昼食を食べられずにそのまま夕食、など。

朝食を抜かないことや忙しくて昼食が摂れない時は、ちょっとした携帯食やバナナ1本でもいいので口にするようにしてください。

空腹時間が長いと食後の血糖値が高くなることは実験結果からも証明されています。⏩朝食欠食が昼食後の血糖値変動に及ぼす影響 「生化学研究室, 女子栄養大学Laboratory of Biochemistry, Kagawa Nutrition University(2003年 CiNii収録論文より)より抜粋」

6.糖質制限は必要?

血糖値を急上昇させやすいものは糖質ですが、そうなると糖質は摂らないほうがいいのか?という話になります。糖質を摂りすぎないことは、ダイエットのためにも健康のためにも重要なことですが、正しくは炭水化物の種類やGI値に気をつけることです。全く摂らなかったり、過剰な糖質制限はリバウンドの原因にもなりますし、健康上の問題も発生します。

過剰な糖質摂取による悪影響は周知の事実ですが、逆に過剰な制限もまた身体に深刻な悪影響を与えてしまうのです。過剰な糖質制限が引き起こす影響についてはこちらの認知症リスクを上げる過度な糖質制限【毎日新聞医療プレミア】をご参照ください。

7.今日から実践できる低GI値食への簡単切り替え法

現在のあなたの食生活は高GI値食になっていませんか?GI値の高い食事ばかりしていると、太るだけでなく、糖尿病などのリスクあるいは体の糖化を促進し、見た目の美容にも大きく影響を及ぼしてしまいます。現在の食生活の中で簡単に低GI値食に切り替える方法をご紹介します。

※GI値とは血糖値の上昇率を表す指標値です。GI値が高い食品ほど血糖値の上昇率が高くなります。

7ー1.白米を玄米、雑穀米に変える

よく比較される白米と玄米、カロリーにはほぼ差はありません(その他の栄養価は差があります)。白米が太ると言われているのはGI値が高いからです。自宅で食べるご飯を白米から玄米、雑穀米に変えるだけでもダイエットの効果は大きく上がります。「玄米はちょっと」という方は白米に雑穀に加えた雑穀米にしてください。玄米より違和感は低くなります。

また白米でも暖かいよりも冷や飯の方が血糖値を急上昇させないので、冷や飯にすることもオススメです。よく言われる糖質制限ダイエット。制限するのではなく種類を選択して摂っていくことが正しくダイエットを成功させる考え方です。

7ー2.冷や飯にする

白米は冷たくなると、血糖値の上昇が緩やかになります。日本のお米は冷たくなってもおいしく食べられますし、日本人はおにぎりやお鮨など、冷や飯を食べる習慣には慣れているので、比較的抵抗なく取り入れることができます。詳しくは「ちょっとした工夫で白米は太らない!ダイエットに効果的な5つの食べ方」をご参照ください。

7ー3.砂糖を変える

普段料理に使っている砂糖やちょっとしたことに加味する砂糖の種類を変えてみましょう。最もポピュラーな白砂糖はGI値が高く太る大きな原因になります。また他にも身体に様々な影響を与えます。

白砂糖をてんさい糖やハチミツ、メープルシロップに変えることでGI値を低く抑えることができます。ダイエット中でも甘いものを食べたくなる時もありますよね。そんな時は白砂糖ではなく自然な甘みを使ったものを摂るようにしましょう。

例えば白砂糖をたっぷり使ったミルクチョコを食べるよりも砂糖不使用のダークチョコにハチミツをかけて食べるなど(ドライフルーツと一緒に食べる手もあります。)

砂糖類のGI値表

種類         GI値     カロリー(100g)
グラニュー糖     110    387
氷砂糖        110    387
白砂糖        109    384
三温糖        108    382
はちみつ        88    294
メープルシロップ    73    257
人工甘味料       10    276

※ハチミツやメープルシロップはメーカーや種類によってカロリー、GI値に若干の違いがあります。

8.有酸素運動でインスリン感受性を高めよう

ウォーキング

インスリン感受性とは簡単に言うとインスリンの効き具合です。効きが良いほど少量で済みますが、効きが悪くなると、インスリンを大量に分泌しなければならなくなります。そうなると、膵臓の負担も大きくなりますし、体脂肪増加にもつながります。

インスリン感受性は加齢に伴い低下していくものですが、有酸素運動でインスリン感受性を高めることができるのです。

糖尿病疾患者を対象にした実験で1回の有酸素運動エクササイズによりインスリンの感受性が向上することがわかっています。1回の有酸素運動エクササイズ終了後48時間に渡り、インスリンによるグルコース吸収が増加することが示されています。

また有酸素運動を継続していくことで、インスリン感受性が増し、インスリンへの反応も増大します。インスリン感受性が向上することでインスリン分泌を抑えることができるのです。(少量でも効きがよくなるため)

手軽にウォーキングから始めたい時はこちら「ウォーキングダイエットの効果的な方法とは?|時間や速度の目安」をご参照ください。また有酸素運動は自宅で行う方法もあります。自宅でできる手軽な有酸素運動メニュー2選

9.まとめ

現代の食事情は血糖値を上昇させやすい環境にあります。だからこそ、意識的に上昇させないための工夫をしていかなければなりません。太らな強い体型を保つためにも、5年後10年後の健康を損なわないためにも、まず血糖値をコントロールする方法を身につけてください。