ファスティングをするなら酵素ドリンクが理想ですが、価格が高いので悩む人も多いと思います。代わりによく紹介されるのが市販の野菜ジュースです。でも野菜ジュースでファスティングをしても効果的なのか、気になっている人も多いのではないでしょうか?実際野菜ジュースでのファスティングはどうなのか詳しい解説と、酵素ドリンクとの比較についてお伝えしていきます。
このページの目次
1.市販の野菜ジュースはファスティングに向いていない
結論を先に言うと、ファスティングをするのであれば市販の野菜ジュースを使うべきではありません。それではファスティングではなく、ただのカロリー制限ダイエットになってしまいます。
1ー2.市販の野菜ジュースがいけない理由
市販の野菜ジュースは次の4つの理由からファスティングには向いていません。
- 保存料などの添加物が使われている
- 人工甘味料が使われている
- 食材の種類が少ない
- 発酵していない
1.添加物が使われている
ファスティングの大きな目的はデトックスです。解毒する作業なのに添加物を摂ってしまっては意味がありません。市販の野菜ジュースの多くは防腐剤や保存料などの添加物が使われています。
2.人工甘味料が使われている
ファスティングは味覚をリセットし鋭敏にする効果もあります。人工甘味料の入ったものを摂ってしまっては味覚のリセットが出来ません。
3.食材の種類が少ない
市販の野菜ジュースに使われている食材の種類は大体10種類程度、多くても20種類ほどです。これではファスティングをするのには少なすぎます。最低でも50種類以上の食材が使われていることが望ましいです。
結果的に微量栄養素を摂取できる量も少なくなるので、デトックス効果や体脂肪減少効果が低くなってしまいます。また筋肉量減少のリスクも大きくなってしまいます。
4.発酵していない
発酵すると低分子化され消化吸収の負担が少なくなります。また発酵しているので腸内環境に有益菌が多く含まれています。ここが野菜ジュースと酵素ドリンクの大きな違いです。(酵素ドリンクは発酵している)
1ー2.野菜ジュースに酵素は入ってる?
正しくいうと酵素は入っているが失活しています。(これは酵素ドリンクにも同じことが言えます。3ー2で後述します)
野菜や果物などの生鮮食品には酵素が含まれていますが、加熱処理すると酵素は失活します。市販の野菜ジュースは製造過程で加熱殺菌処理をしているので、酵素は全て失活しているのです。
1ー2.保存料不使用なら大丈夫?
「合成保存料、防腐剤一切不使用などの商品なら大丈夫ですか?」そういう疑問もあるかと思います。しかし先ほどの「発酵していない」「食材の種類が少ない」などの理由から添加物が使われていないものだとしてもファスティングにはおすすめしません。
2.酵素ドリンクとの比較
酵素ドリンクと市販の野菜ジュースを商品の特徴の違いがこちらの表になります。
商品の特徴 |
酵素ドリンク 野菜ジュース |
価格 高い 安い |
酵素 失活している 失活している |
発酵 している していない |
乳酸菌 入っている 入っていない |
微量栄養素 多い 少ない |
種類 多い(50種類以上) 少ない |
大きく違うのは使われている食材の種類です。酵素ドリンクは野菜や果物、野草など50種類以上が使われています。それだけ多くの微量栄養素(ビタミン・ミネラル)をファスティング中に摂ることができるのです。
発酵しているかいないかも大きな違いです。発酵していることで低分子化され、消化に負担をかけません。また多くの腸内に有益な菌が含まれています。
3.市販の野菜ジュースでファスティングをするとどうなるの?
私はファスティング指導者として、これまで自分の体を実験材料に色々なファスティング方を実践してきましたが、その私個人の体験をもとに解説していきます。(万人に共通するわけではありませんが、酵素ドリンクと野菜ジュースを使用したファスティングの違いはおおよそ、多くの方が同じような感じになると思います)
ファスティングの成果というのは、単純に変化がわかるものと(数値などで)、感覚として感じるものがあります。
- 体重の変化
- デトックス具合
- ファスティング中の体調
- ファスティング後の体調
ファスティングの成果が目に見えて分かるのは体重(体脂肪率など)の数値だけです。他はあくまで感覚になります。特に重要なデトックスですが、これはどれだけデトックスしたか数値化するのは非常に難しいものです。
3ー1.野菜ジュースでファスティングをした体験談
以下、酵素ドリンクでファスティングをした時との比較になります。
【体重(体脂肪量)の変化】
3日間程度だとほぼ変わりません。6日間だと酵素ドリンクの方が体脂肪は減りました。問題と感じたのは筋肉量の減少です。野菜ジュースで行う方が長い期間のファスティングをした時、明らかに筋肉量が減ってしまいます。(これは痩せたとは言えません。逆効果です)
【デトックス】
感覚的なものは分かりづらいのですが、酵素ドリンクを使用した方が宿便はおきます。市販の野菜ジュースで何度かファスティングをしましたが、宿便が起きたことはありません。(酵素ドリンクでも必ず来るわけではありません)
【空腹感】
通常ファスティングは初日〜2日目が最も空腹感が強いのですが、確実に酵素ドリンクより野菜ジュースの方が強く出ます。
【体調不良】
ファスティングで比較的起きやすい頭痛や吐き気に関しては、酵素ドリンク時と大差はない感じがします。
【ファスティング後】
体調の良さを感じるのは酵素ドリンクで行った時の方です。また酵素ドリンクの場合は、ファスティング後に過食したくなる感覚はないのですが、野菜ジュースの場合は過食したくなる気持ちが強くなりました。
野菜ジュースでファスティングをした場合、おそらく短期間でのリバウンドをしやすいのではないかと思います。
3.ファスティングに酵素ドリンクを使う理由
ファスティングに酵素ドリンクを使用するのは、ファスティングの効果を最も高めることができるからです。
3ー1.酵素ドリンクを使う効果
- 消化に負担をかけない
- 微量栄養素をしっかり摂れる
1.消化に負担をかけない
発酵することで低分子化されるので、消化の負担が少なくなります。ファスティングは内臓を休ませる作業でもあります。できるだけ負担はかけずに栄養を摂ることが重要になりますので、発酵している酵素ドリンクはファスティングに最適といえます。
2.微量栄養素をしっかり摂れる
内臓に負担をかけずに、必要な微量栄養素を摂るには酵素ドリンク以上のものはありません。質の良い酵素ドリンクにはオーガニック栽培無農薬の野菜、果物、野草が50種類以上は使われています。
それだけ多くのビタミンやミネラルが豊富に含まれており、これらの補酵素が体内酵素の働きを補完し体調を整えてくれるのです。
3ー2.酵素が含まれているわけではない
酵素ドリンクに酵素は含まれていません。正確に言うと野菜ジュースと同じで、酵素は含まれていますが失活しています。(失活しているということは、酵素としての働きは非常に低い)
酵素ドリンクという商品名なので紛らわしいのですが、正式に言うなら発酵ドリンクになります。現在の日本の食品に関する法律上、加熱殺菌処理は義務になるので、市販の野菜ジュースにしろ、酵素ドリンクにしろ、加熱殺菌処理によって酵素は失活しているのです。
3ー3.ファスティングは酵素を摂取することが重要ではない
ファスティングで重要なのは酵素を摂取することではなく節約です。ファスティングでは普段消化のために使っていた体内酵素を代謝に100%使うことができるので、代謝が大きく向上し細胞が活性化するのです。
1.体内酵素の使われ方
・普段の生活
食事の分解消化>代謝=代謝に使う量が少ない
食生活が乱れている人ほど、消化に多く使うことになり代謝に使う量が少なくなります。
・ファスティング中
食事の分解消化<代謝=代謝にほぼ100%使える
ファスティング中は食べ物の分解消化がないので、体内酵素をほぼ100%代謝に使うことができるのです。
だからこそファスティングには消化の負担が少ない酵素ドリンクが望ましいのです。
3ー4.質の悪い酵素ドリンクに注意
現在数え切れないくらいの酵素ドリンクが販売されていますが、中にはファスティングにはとても向いていないような酵素ドリンクも数多くあります。
酵素ドリンクはファスティングの効果を大きく左右する重要な要素なので、質の良い酵素ドリンクを選ぶようにしてください。
良質なドリンク 低品質のドリンク |
濃度 50%以上 数% |
発酵期間 1年程度 数週間〜2、3ヶ月 |
種類 50種類以上 10種類程度 |
添加物 不使用 人工甘味料や保存料 |
食材 オーガニック無農薬 農薬栽培 |
酵素ドリンクを選ぶ上で酵素が含まれているかは重要ではありません。(前述した通り酵素は失活しています)質の良くないドリンクでは、ただの太りやすいジュースでファスティングに使う以前の問題になります。
4.野菜ジュースでもファスティングする方法
- 自家製のジュース(スムージー)にする
- 半日もしくは1日ファスティング限定
野菜ジュースでファスティングをする場合は、ミキサーなどで自分で作ったものにしてください。また日数は半日〜1日ファスティングまでにしてください。(2日間以上ファスティングをする場合は酵素ドリンクを使うようにしてください)
4ー1.市販ジュースと比べた時のメリット・デメリット
自家製ジュース(スムージー)にすることで市販の野菜ジュースと比べ次のようなメリットデメリットがあります。
■デメリット
・手間がかかる
・ミキサーが必要
■メリット
・保存料などの添加物を避けることができる
・酵素を摂取できる
・空腹感が少なくなる
・腸内環境改善効果が高い
4ー2.おすすめ自家製ジュースの作り方
【材料】
・りんご:1/2個
・にんじん:1/2本
・レモン:1/2個
・加熱生姜:少量(5g程度)
計約160キロカロリー
【各食材の詳細】
■りんご
◻︎主な栄養素
ポリフェノール、ペクチン、ビタミンA、B群、C、有機酸など。
◻︎効果
腸内のビフィズス菌を増やす、抗酸化作用、高血圧予防、整腸作用、疲労回復など
■にんじん
◻︎主な栄養素
カロテン、カリウム、カルシウム、食物繊維
◻︎効果
抗酸化作用、免疫力強化、むくみ解消、動脈硬化予防など
※にんじんに含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素にはビタミンCを壊してしまう性質がありますが、ファスティング中はあまり神経質になる必要はありません。通常の食事の際には、茹でたり酢を使った調理をすると、破壊作用が消滅します。
■レモン
◻︎主な栄養素
ビタミンC、クエン酸
◻︎効果
疲労回復、免疫力強化、抗ストレス、シミ対策
■生姜(加熱する)
◻︎主な栄養素
ジンゲロール、ショウガオール、シネオール
◻︎効果
血行促進、体を温める、新陳代謝の活性化、発汗作用、殺菌作用、消炎作用、疲労回復、抗酸化作用
※生姜は加熱することにより、ジンゲロールという成分がショウガオールに変化します。加熱することでより血行促進や体を温める働きが増すのでファスティングには効果的です。
4ー3.自家製ジュースを作る時のポイント
- 重曹で洗う
- ミキサーは低速回転が理想
- 作り置きせず、その場ですぐ飲む
1.重曹で洗う
食材はできれば無農薬オーガニック栽培のものを使いたいところですが、難しい場合は重曹で洗うようにしてください。
2.ミキサーは低回転が理想
ジュースを作る時の弱点はミキサーの回転摩擦による酵素やビタミン(熱に弱い種類)の失活です。高速回転より低速回転の方が、より摩擦熱が少なく栄養素を失活させません。
3.作り置きしない
作って時間が経てば経つほど酸化してしまいます。ジュースは作り置きせずに、飲む直前に作ってすぐに飲むようにしてください。例えば朝にその日1日分の量を作り置くようなことはしないでください。
5.味噌汁や豆乳でファスティングできる?
市販の野菜ジュース以外に多いのは次のようなものです。
・味噌汁(具なし)
・ヨーグルト
・豆乳
基本的には野菜ジュースと同じ理由でファスティングには向いていません。ファスティングに使う食材はカロリーを抑えることを重要視するのではなく、身体をリセットさせるのに効果的かどうかを考えることが大切です。
■味噌汁
ファスティング中は極力塩分も控えますので、味噌汁では塩分量が多すぎます。(ファスティング中に頭痛が起きた場合などは味噌汁を飲むこともあります。)また味噌汁ではミネラルやビタミン、善玉菌などが圧倒的に足りません。
■ヨーグルト
ファスティング中は乳製品の摂取は控えます。それは乳に含まれる「カゼイン」という乳タンパクがアレルギーを引き起こす原因になるからです。なので、ヨーグルトはファスティングには向いていません。
■豆乳
マグネシウム、ビタミンB群など微量栄養素のほか、ポリフェノールも豊富で栄養価は高い食品なのですが、ややタンパク質量が高く消化吸収への負担が大きくなりがちなので、ファスティングには向いていません。ファスティングに使用するのではなく、日常生活で積極的に摂取していきたい食品です。
6.まとめ
やはりファスティングをするなら、多少高くとも質の良い酵素ドリンクを使って行うべきです。例えば6日間ファスティングを行うにしても、1年に1回程度(多くても2回)なので。
酵素ドリンクを使った期間の長いファスティング(3〜6日)を1年に1回行い、定期的に自家製ジュースを使った1日ファスティングを行っていくのが、ダイエットや健康面とコストを考えた時、ベストバランスではないでしょうか。