食物繊維の効果と上手な摂り方

人が病気に悩まずに健康的に生きていくためには、食物繊維が不可欠です。しかし食物繊維を摂ることが大切とはわかっていても、実際にどんな効果があるのかや、野菜以外ににどんなものがあるのか意外と知らない人も多いのではないでしょうか?

1.食物繊維とは

人の消化酵素では消化されない食品中の難消化性成分の総称です。一般的には「野菜や果物」が食物繊維というイメージがありますが、食物繊維にはその他様々な食品があります。

また知られている作用として「便秘の改善」や「腸内環境を整える」といったことが挙げられますが、他にも多くの有益な健康効果が研究でわかってきています。

2.食物繊維の種類

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。完璧にわかれているわけではなく、どの食品も不溶性、水溶性両方含まれています。どちらの方がより多く含まれているかで、水溶性食物繊維か不溶性食物繊維に分けられます。理想のバランスは【不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1】になります。

3.水溶性食物繊維とは

水に溶ける食物繊維です。腸内で水分を抱え込んでヌルヌルとしたゲル状成分になります。

3ー1.水溶性食物繊維の働き

  • 便秘の解消
  • 血糖の上昇を抑える(糖の吸収を遅らせる)
  • 血中脂質異常や糖尿病の予防
  • 心臓、脳血管系疾患の予防
  • 腸内環境を整える

3ー2.水溶性食物繊維の含有量が多い食品

カッコ内は100g当たりの水溶性食物繊維量(総食物繊維量ではありません)

  • 納豆(2.3)
  • インゲン豆(1.5)
  • さつまいも(0.9)
  • 里芋(0.8)
  • らっきょう(18.6)
  • エシャロット(9.1)
  • にんにく(4.1)
  • ごぼう(2.3)
  • アボカド(1.7)
  • 白キクラゲ(1.2)
  • なめこ(1.1)
  • 海藻類
  • ドライフルーツ(果物はドライフルーツにすると食物繊維量がアップする)

4.不溶性食物繊維とは

水に溶けない食物繊維です。保水性が高く水分を吸収して数倍〜数十倍に膨らみ、腸壁を刺激してぜん動運動を促します。また便の嵩を増やす効果もあります。

不溶性食物繊維は大腸を通過するときに、水銀やカドミウムなどの重金属や、発がん物質のダイオキシンなどの有害物質を吸着し、一緒に排泄するデトックス効果もあります。

4ー1.不溶性食物繊維の働き

  • 腸のぜん動運動を活性
  • 腸内環境を整える
  • 有害物質の排出(デトックス効果)
  • 大腸、膵臓、胆のう系疾患の予防
  • 食べ過ぎ防止
  • 便秘の予防・解消(人によっては逆に出にくくなってしまうこともあります)

4ー2.不溶性食物繊維の含有量の多い食品

カッコ内は100g当たりの不溶性食物繊維量(総食物繊維量ではありません)

  • 枝豆(5.9)
  • ブロッコリー(3.7)
  • オクラ(3.6)
  • ごぼう(3.4)
  • アボカド(3.6)
  • とうもろこし(8.4)
  • ライ麦(8.2)
  • さつまいも(1.8)
  • 山芋(1.8)
  • 里芋(1.5)
  • こんにゃく(3)
  • 豆類
  • きのこ類

5.食物繊維の摂取量目安

食物繊維の摂取基準(g/日)
日本人の食事摂取基準より

性別(歳) 男性   女性
30~49  20以上  18以上
50~69  20以上  18以上
70以上  19以上  17以上

不足すると

便秘や腸内環境が悪化しやすいことが挙げられます。また摂取量が少ない人では、「心筋梗塞の発症率や死亡率、糖尿病の発症率」が高いなど、生活習慣病との関連性が報告されています。

摂り過ぎると

食品から摂るかぎり、まず過剰の心配はありません。注意したいのはサプリメントなどで単一の食物繊維を多量に摂ることです。その場合下痢を引き起こすことがあります。その他、鉄やカルシウム、亜鉛などのミネラルの吸収を妨げてしまうこともあります。

7.食物繊維不足に注意

食物繊維不足に特に注意したい人

  • 外食中心
  • 朝食を抜きがち
  • ダイエットをしている人

日本国民健康・栄養調査によると10代から70歳以下の全世代で摂取量が不足しています。特に現代は外食が充実してることや、ライフスタイルの変化で朝食を抜きがちだったり、食物繊維が不足しやすい環境にあります。

また食物繊維を多く摂っていても不溶性に偏っていて、水溶性食物繊維量は不足しているケースもあります。(食物繊維を含む食品はどれも不溶性は含まれていますが、水溶性は含有量の多いものを選んで摂らないと、摂取できないため)

またダイエットでも食物繊維不足になる事が多いですので、注意が必要です。ダイエットをして便秘になってしまう人がいますけど、それは食物繊維が不足している事が原因でもあります。

 

8.食物繊維の上手な摂り方

食物繊維は特定の食品からだけでなく、様々な食品から摂ることが大切です。そうすることでより豊かな腸内細菌叢をつくることができます。

特に食物繊維量だけを見て含有量の多い食品を摂っていると、水溶性と不溶性の摂取バランスが悪くなるので、注意してください。

食物繊維量を見るときは水溶性と不溶性がそれぞれどのくらい含まれているか、バランスを見ることが大切です。(特に水溶性食物繊維が含まれているか)不溶性食物繊維を多く摂り過ぎるとお腹が張ったり排便しにくくなったりする事があります。

特に便秘の方は不溶性食物繊維を多く摂ることでより便秘が悪化してしまう事がありますので注意が必要です。便秘解消については「便秘に悩まない快適な体をつくる食事と運動」をお読みください。

9.まとめ

食物繊維不足は本当に深刻な問題です。それは現代の病気を見ればわかります。心臓や脳血管系の病気、あるいは高血圧や糖尿病などの生活習慣病、これら全て食物繊維不足だけが問題じゃありませんが、関連性があることは明白です。

病気はまず人が食べているもの次第です。改めて現在の食事の中にどれだけ食物繊維が並んでるか見直してください。