ダイエットするなら知っておきたい食物繊維の話

食物繊維は人が美しく健康で生きていくには欠かせないものです。単純に「野菜を食べればいい」ということではなく、正しく食物繊維を知ることで、ダイエットも、より効率が良く効果的なものへと変わっていきます。この記事ではダイエットをするなら知っておきたい食物繊維のことをできるだけわかりやすく解説していきます。

食物繊維とは

人の消化酵素では消化されない食品中の難消化性成分の総称です。一般的には「野菜や果物」が食物繊維というイメージがありますが、食物繊維にはその他様々な食品があります。

また知られている作用として「便秘の改善」や「腸内環境を整える」といったことが挙げられますが、他にも多くの有益な健康効果が研究でわかってきています。

食物繊維の主な作用

  • 食物繊維の大半は腸内細菌によって分解され、その代謝産物がエネルギー源になったり、ビタミンの供給源になったり、免疫系の構築に使われる
  • 消化・分解に時間がかかるので、血糖値などの上昇を防ぐことができる
  • 大腸にまで届くので、重要な腸内細菌を養う
  • 様々な食物繊維を摂ることで、より豊かな腸内細菌叢を作ることができる
  • 体内の毒素を吸着し排泄してくれる

食物繊維の種類

食物繊維には『水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がありますが、完璧に片方だけというわけではありません。どちらも含まれています。比率によって水溶性食物繊維か不溶性食物繊維に分けられます。

理想は【不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1】になります。

水溶性食物繊維

水に溶ける食物繊維です。腸内で水分を抱え込んでヌルヌルとしたゲル状成分になります。

種類

  • ペクチン(果物、野菜)
  • グアガム(特定のマメ科の植物)
  • アルギン酸(昆布、わかめ)
  • グルコマンナン(こんにゃく)

作用

  • 便秘の解消
  • 血糖の上昇を抑える(糖の吸収を遅らせる)
  • 血中脂質異常や糖尿病の予防
  • 心臓、脳血管系疾患の予防
  • 腸内環境を整える

不溶性食物繊維

水に溶けない食物繊維です。保水性が高く水分を吸収して数倍〜数十倍に膨らみ、腸壁を刺激してぜん動運動を促します。また便の嵩を増やす効果もあります。

不溶性食物繊維は大腸を通過するときに、水銀やカドミウムなどの重金属や、発がん物質のダイオキシンなどの有害物質を吸着し、一緒に排泄するデトックス効果もあります。

種類

  • セルロース(穀類、豆類、野菜)
  • ヘミセルロース(穀類、豆類、野菜、海藻類)
  • リグニン(豆類、穀類のふすま、野菜、ココア)
  • イヌリン(ゆり根、ごぼう、くきいも)
  • キチン(カニ、エビの殻)

作用

  • 腸のぜん動運動を活性
  • 腸内環境を整える
  • 有害物質の排出(デトックス効果)
  • 大腸、膵臓、胆のう系疾患の予防
  • 食べ過ぎ防止
  • 便秘の予防・解消(人によっては逆に出にくくなってしまうこともあります)

⏩不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の分類

食物繊維の摂取量目安

食物繊維の摂取基準(g/日)
日本人の食事摂取基準より

性別(歳) 男性   女性
30~49  20以上  18以上
50~69  20以上  18以上
70以上  19以上  17以上

不足すると

便秘や腸内環境が悪化しやすいことが挙げられます。また摂取量が少ない人では、「心筋梗塞の発症率や死亡率、糖尿病の発症率」が高いなど、生活習慣病との関連性が報告されています。

摂り過ぎると

食品から摂るかぎり、まず過剰の心配はありません。注意したいのはサプリメントなどで単一の食物繊維を多量に摂ることです。その場合下痢を引き起こすことがあります。また鉄やカルシウム、亜鉛などのミネラルの吸収を妨げてしまうこともあります。

食物繊維の上手な摂り方

野菜

食物繊維は特定の食品からだけでなく、様々な食品から摂ることが大切です。そうすることでより豊かな腸内細菌叢をつくることができます。

食物繊維は大きく分けて不溶性と水溶性がありますので、特定の食品ばかりだとどちらかに偏りがちになってしまいます。できるだけ様々な食品を摂るようにしましょう。

注意点は便秘の人が不溶性食物繊維を多く摂ると、より弁が出にくくなってしまうことがあります。便秘気味の人は水溶性食物繊維を多く含む食品を摂るようにしましょう。

⏩薬に頼らない便秘解消法

ダイエット中の食物繊維不足に注意

今のダイエットの食事は「糖質制限」が主流になっています。糖質を正しく制限することはダイエットでは大切なことですが、間違えたやり方で食物繊維まで制限してしまっていることが多く見られます。

ダイエット中に便秘になってしまう人がいますが、それはもしかすると食物繊維が不足しているのかもしれません。

食べる量自体が減って食物繊維も不足することもありますし、炭水化物などを過剰に制限して食物繊維が不足してしまうこともあります。

ダイエットをすると便秘になる人は一度、食事を見直してみてください。

⏩ダイエットと便秘の関連性について

食物繊維がダイエットに大切なわけ

ダイエット

  • 食物繊維を摂ることで腸内環境が整い太りにくい体になる(腸内環境は代謝に大きく関わります)
  • 酵素を摂取できる(生野菜、果物、発酵食品)
  • 血糖値の上昇を抑える
  • 低カロリー食品
  • ビタミン、ミネラルといった微量栄養素の摂取になる
  • 動物性食品と植物性食品の摂取の割合が整う

食物繊維はダイエットに非常に重要です。低カロリーということだけがクローズアップされがちですが、食物繊維をしっかり摂る食事をしていくことで太りにくい体質も作られていくのです。

ダイエットは筋肉量を増やすなどの外面的なことだけではなく、腸内環境を整えるなど体の内面から整えることが重要ですが、食物繊維は体の内面を整えるのには欠かせないものなのです。

⏩体の内面を整える食事とは

まとめ

特にダイエット中は食事量が減るため、内容も偏りがちになります。それによって食物繊維の摂取量自体が減ったり、種類が偏ったりしてしまうことが起きがちです。

食物繊維の摂取不足は腸内環境の悪化を招き、結果代謝の低い体質を作ってしまいます。ダイエット中こそ、摂取量、バランスともに見直しをしていきましょう。