動物性と植物性、タンパク質の違いと摂るべきほうは?

タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。それぞれ特徴があり、摂るバランスや摂り方次第で体は大きく変わります。この記事では、それぞれのメリットデメリットとダイエット中の効果的な取り方について解説していきます。

1.タンパク質の重要性

タンパク質が重要なことは言うまでもありませんが、その反面、動物性タンパク質に偏ったりすると、腸内環境の悪化など弊害も引き起こしやすいので注意が必要です。

タンパク質の上手な摂り方は

「いかに腸内環境を悪化させず、かつ十分なタンパク質量を摂り筋肉などの成長を促すこと」

になります。

2.タンパク質とは

納豆

タンパク質は3大栄養素の一つであり、身体で最も重要な筋肉や骨、血液などの主成分です。タンパク質は英語でプロテインですが、これはギリシャ語のプロティオス「最も大切なもの」という言葉が由来です。

タンパク質は20種類のL−アミノ酸が多数(50〜1500)ペプチド結合してできた高分子窒素化合物です。

  • タンパク質は内臓や筋肉などを構成する主成分
  • 私たち人間の体は約10万種類ものタンパク質で構成されている

タンパク質は大きく分けて動物性タンパク質と植物タンパク質があり、1gあたり4キロカロリーのエネルギーを持っています。

■アミノ酸とは
アミノ酸とは炭素にアミノ基(−NH2)とカルボキシル基(−COOH)が結合している有機化合物の総称です。

3.タンパク質の働き

ダイエット

タンパク質には以下のような働きがあります。

■筋肉や内臓、血液などの形成、修復
3万から10万種類に及ぶタンパク質が筋肉や骨・血液・髪・爪などの体重の構成要素となっております。

■.酵素、ホルモンの材料になる
消化酵素や性ホルモンの材料となります。

■神経伝達物質の合成
ドーパミン・セロトニン・アドレナリン・ノルアドレナリンなどを合成します。

■免疫機能を高める
γ–グロブリンは抗体として生体防御に働いています。(※γ–グロブリン:血液に含まれるタンパク質の1つのグループに対して与えられている名称)

■生理活性物質の前駆体
ビタミンなどを生産する際の原料となります。(タンパク質がなければ、体内でビタミンは作れません)

■栄養素運搬物質
ヘモグロビン・アルブミン・トランスフェリン・アポリポタンパク質などの材料となります。

■エネルギー源となる
必要に応じて酸化されエネルギー源としても利用されます。

4.タンパク質の種類

卵

タンパク質は大きく分けると動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。そしてさらに細かく「ホエイ、カゼイン、卵白、大豆タンパク、小麦タンパク」の5つに分けることもできます。

■ホエイ
ホエイは牛乳から乳脂肪と固形タンパクを取り除いた上澄みの液体のことで、牛乳に含まれるタンパク質の一種です。

体内の吸収速度も速くアミノ酸含有量も多いので、筋肉修復、筋肉量増大に効果的なことから、現代のプロテインではホエイプロテインが主流となっています。

■カゼイン
牛乳から乳脂肪とホエイを取り除いた固形タンパクがカゼインで、牛乳に含まれる乳タンパクの8割を占めています。

カゼインはアレルギーを引き起こす可能性がある物質としても知られています。⏩こちらの記事にカゼインのアレルギーに関する詳しい解説が載っています。

■卵白
卵の黄身以外の透明部分。

■大豆タンパク
大豆に含まれるタンパク質。

■小麦タンパク
小麦に含まれるタンパク質。

5.動物性タンパク質の特徴

ささみ

動物性タンパク質とは動物性食品由来のタンパク質です。牛肉、鶏肉、豚肉、その他魚介類、卵や乳製品になります。

動物性タンパク質のメリット

  • 必須アミノ酸を多く含んでいる
  • 食事誘発性熱生産(食事をすることで起こるカロリー消費)が高い

動物性タンパク質のデメリット

  • 腸内環境を悪化させやすい
  • 分解消化に酵素を多く消費する

動物性タンパク質の種類

動物性タンパク質を含む主な食品

食品   タンパク質(g) カロリー(kcal)
鶏ささみ    23   105
鶏むね肉   22.3   108
鶏もも肉   18.9   116
牛ヒレ肉   21.3   185
牛もも肉   19.5   209
豚ヒレ肉   22.8   115
ローストビーフ  22    196
ラム肩肉    17.1  233
ラムチョップ 15.86  226
マグロ(赤身) 26.5  125
サバ      20.8  203
イワシ     19.8  217
エビ      18.4   82
イカ      18.1   88
タコ      21.8   99
卵(1個)    6.2   81

動物性タンパク質の上手な摂り方

  • 脂肪分の少ない部位を摂る(鶏胸肉、ささみなど)
  • 肉類より魚介類を多く
  • 肉類を摂る時はニンニクや玉ねぎと一緒に

6.植物性タンパク質の特徴

豆腐

植物由来のタンパク質です。食生活で代表的なものは豆類です。その他、穀類、小麦、そばといった炭水化物類や、種類によっては野菜や果物にも含まれています。

植物性タンパク質のメリット

  • 脂質が少ない(カロリーが低い)
  • 胃腸や肝臓、腎臓への負担が低い
  • 腸内環境を悪化させない
  • 同時に食物繊維を摂取できる

植物性タンパク質のデメリット

  • 動物性食品に比べて必須アミノ酸が足りない

植物性タンパク質の種類

大豆製品・豆類

主な植物性タンパク質食品

食品   vタンパク質(g) カロリー(kcal)
絹豆腐       5.0    58
木綿豆腐      6.8    77
納豆       16.5   200
枝豆      10.25   110
ミックスビーンズ  9.2   124
きな粉      36.7   450
豆乳        3.6    45
ミックスナッツ   20     606
海苔        41     188
ブロッコリー      4.3    33
さやえんどう    3.1    36
生しいたけ     3.0    18

植物性タンパク質の上手な摂り方

豆類は大豆食品に偏らず、色々な豆類(ミックスビーンズ)を摂ることです。そうすることで、お互い足りない栄養素を補う形になります。

また植物性タンパク質は単一の食品だと必須アミノ酸などが不足しがちです。様々な植物性食品を摂ることで補い合うことができるのです。

7.動物性タンパク質と植物性タンパク質どちらがいいのか?

疑問

「タンパク質は肉類と大豆食品どちらのほうがいいですか?」質問されることが多いのですが、タンパク質は動物性と植物性どちらのほうがいいのでしょうか?

各タンパク質の特徴でご説明した通り、それぞれメリットデメリットがあります。

よく「動物性タンパク質はアミノ酸含有が優れている、植物性タンパク質はアミノ酸含有が足りない、だからタンパク質は肉類を摂るべきだ」という意見があります。

しかしこれはちょっと違います。

確かにタンパク質の質だけで見れば動物性食品の方が優れています。植物性タンパク質だけだとアミノ酸摂取が足りないというのもその通りです。

しかし食事というのは主食、主菜、副菜、汁物などの献立から成っています。1品だけでタンパク質を摂るわけではありません。

全体のメニューで栄養バランスを補っているのです。植物性タンパク質1品では足りなくても、穀類、海藻類、野菜、イモ類などその他の料理全てで必要なタンパク質を補い合っているのです。

ですので、よく言われる植物性タンパク質だけだと足りないという意見はちょっと違うのです。

■動物性:植物性(3〜4:6〜7)が理想

  • タンパク質としては動物性タンパク質のほうが優れている。しかし植物性タンパク質を摂り過ぎるより、動物性タンパク質を摂り過ぎるほうが問題が多い。

ですので、基本は植物性の割合が多いほうが良いかと思います。

■個人の事情や年齢によっても比率は変わる

70歳以上の高齢者の場合は肉類もしっかり取る必要がありますし、便秘で悩んでいる人は肉類ばかり摂ると、より腸内環境を悪くして便秘を悪化させてしまいかねません。

自分の体の状態に合った摂り方が重要なのです。

8.1日のタンパク質摂取目安

タンパク質の摂取基準はいくつかありますが、実際にタンパク質の必要量は様々な要因や条件に左右されます。

例えばトレーニング(筋トレなど)をしている人としていない人では1日当たりの必要量は異なってきます。トレーニングをしている人はより多くのタンパク質を必要とします。

逆に腎機能に問題がある人はタンパク質の制限があり多く摂ることはできません。

推奨される1日のタンパク質摂取量は機関などで多少の差はありますが、概ね以下のようになります。

女性のタンパク質摂取基準
年齢    推奨量(g/1日)
18~29   50
30~49   50
50~69   50
70以上   50

また、一般的には体重1kgあたり「0.9g/1日」摂取すれば、ほとんどの人が必要量を満たせるとしています。

日本人の食事摂取基準(2015 年版)より抜粋

タンパク質が不足すると

体を構成する成分(筋肉など)の修復・生成がうまく働かず、筋肉量の減少など身体の機能低下をもたらします。乳幼児や成長期の子どもの場合、成長障害が起こります。

タンパク質を摂りすぎると

タンパク質は糖質や脂質のように体に貯蔵する仕組みがなく、過剰分は尿へ排泄されます。

そのため腎臓に負担がかかり、腎機能障害につながる恐れもあります。腎臓が悪い人がタンパク質の摂取制限が科されるのはこういった理由からなのです。

このほか、尿中カルシウム排泄量も増加し、骨粗鬆症にもつながります。

腎臓病とタンパク質の関係

タンパク質は体内で利用された後、分解されて尿素などどして尿中に排泄されます。この機能を担っているのが腎臓です。このため過剰に摂取すると排泄という腎臓の仕事に負担をかけてしまうのです。

同様にカロリー制限などでエネルギー摂取が不足すると、体内のタンパク質が分解されてエネルギー源とし使われるようになります。この時、過剰摂取と同様、腎臓に負担をかけてしまうのです。

タンパク質の摂りすぎも良くありませんし、カロリー制限などで糖質や脂質を制限しすぎるのも腎臓には良くないのです。

9.タンパク質がダイエットに重要な理由

ダイエット

ダイエット中はタンパク質摂取をより意識する必要があります。

ダイエット中のタンパク質摂取のメリット

  • 筋トレをしている場合、筋肉量を増やすために必要な栄養源
  • 高タンパク低脂肪食品は低カロリー、低GI値で太りにくい
  • 食事誘発性熱生産(食事によって消費するカロリー)が高い
  • 食事による満足感がある(特に肉類)

ダイエットでなぜ重要かといえば筋肉量に関わるからです。ダイエットは筋肉量を減らさないことが絶対です。(理想は増やす)

運動をしている場合、十分なタンパク質を摂ることでより効果的に身体が出来上がっていきます。(筋肉量が増えるなど)

またタンパク質は総じて低カロリーの食品が多い、あるいは血糖値を上昇させにくいといったことも挙げられます。

ダイエット中のタンパク質摂取目安

  • ダイエット中 0.9〜1.1
  • ダイエット中で運動をしている(低強度〜中強度) 1.1〜1.4
  • ダイエット中で高強度の運動をしている 1.5〜2.0

例えばダイエット中(低強度の運動あり)の体重50kgの女性の1日に必要なタンパク質量は「50×0.9=45g」となります。

高強度のトレーニングを行なっている人ほど摂取量は多くなる。いずれも体重1kgに対し2.0gを上限としています。

 ダイエット中にタンパク質が不足すると

  • 筋肉量の減少につながる
  • 運動した効果が十分に得られない

逆にタンパク質が不足すると筋肉が分解されてしまい、逆に筋肉量を減少させてしまう恐れもあります。またタンパク質は筋肉以外にも身体の様々な構成修復などにも関わっています。

運動の効果は正しい栄養補給と十分な休養を取ることで初めて身体に成果として表れます。栄養では特に大切なタンパク質が十分に摂れていないと、運動の効果も下がってしまいます。

10.ダイエット中の高タンパク食の落とし穴

腸内環境悪化

ダイエットにはタンパク質を摂ることが重要だとお伝えしました。しかしタンパク質ばかりに偏りすぎる食生活は問題です。(特に肉類ばかり)

確かに高タンパク低脂肪の肉類中心のダイエットに良いメリットもあります。

  • 脂肪分が少なく低カロリーで痩せやすい
  • 食事誘発性熱生産が高い

確かにこれらはダイエットをする上で大きなメリットです。しかしこれらのメリット以外のにデメリットも存在するのです。

■高タンパク肉類のデメリット

  • 胃腸への負担が大きい
  • 腸内環境を悪化させる
  • 腎臓の負担が大きい

新陳代謝の高い若い時期ならこれでもいいかもしれませんが、全体的に代謝能力が落ち、腸内環境も悪化しやすくなる加齢期(40代〜)では、この食事では絶対にキレイに痩せることも本当に太りにくい体質を作ることもできません。

太らない食事を考えるのではなく、健康になる食事を考えることがダイエットでは重要なのです。

11.上手なタンパク質の摂り方

  • 動物性タンパク質に偏らない
  • 動物性タンパク質は肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)より魚介類
  • 肉類(牛肉、舞台肉、鶏肉)は赤身肉より白身肉

 

特に40代以降の人はタンパク質の摂り方に注意が必要です。なぜなら歳をとるほど人の腸内細菌は悪玉菌比重に偏りがちになります。また体内酵素量が急激に減り始める頃でもあるからです。

重要なことは「どのようなタンパク質をどのくらいの量、どのタイミングで摂るか」ということです。

タンパク質を摂るタイミング

  • 夕食時と運動後

ダイエット中で特に意識したいのはトレーニング後と夕食です。ともに筋肉の修復と形成の時間帯です。

ただ夕食時は就寝に備えてあまり胃腸に負担をかけたくないので、肉類をがっつりのような食事は避けるようにしましょう。

ダイエットのため、筋肉のためと言ってもやはり腎臓への負担も考えなければなりません。過剰摂取しなければそこまで気にすることもないのですが、水分(水)は十分に摂るようにしてください。(食事中という意味ではなく、1日当たりの摂取量の意味で)

1日当たりの水分摂取量の目安は体重1kg×40~50mlになります。(食事で1ℓくらい摂取しています)ダイエット中は少し多めにタンパク質を摂っているので水もプラス1ℓくらいは多めに摂るようにしてください。

12.タンパク質の摂取効果を高める方法

にんにく

  • ビタミンB6を摂る

摂取したタンパク質が体内で効率よく利用されるためにはビタミンB6が重要になります。ビタミンB6はアミノ酸の代謝に関わるので、タンパク質を多く摂るほどビタミンB6も摂る必要があります。

■ビタミンB6を多く含む食品
にんにく、唐辛子、赤ピーマン、モロヘイヤ、あさつき、バナナ、レバー、魚類

13.プロテインは必要?

おから入り豆乳

ダイエット指導中に「プロテインは飲んだほうがいいですか?」と聞かれることがよくあります。

個人的な意見を言えば、女性のダイエットにプロテインを飲む必要はないと思っています。実際に私のダイエット指導でもプロテインを勧めることはありません

ボディビルをやりたい、筋肉量ももっとガンガン増やしたいというのであれば、プロテインを飲む必要はありますが、そうでなければ必要ありません。

プロテインの代わりにおから入り豆乳

食事で十分にタンパク質が摂取できていないというのであれば、おから入り豆乳がおすすめです。

タンパク質摂取のため豆乳を飲まれる方は多いですが、おから入り豆乳のほうがより効果的です。

豆乳=大豆と思いがちですが正確には違います。正しくは豆乳+おから=大豆です。大豆に水を加えて煮詰めた汁を濾したものが豆乳なのですが、濾した時に残ったものがおからです。

実はこのおからにタンパク質や食物繊維などの栄養素が多く含まれているのです。正直な話、豆乳を飲んでいても栄養素的に物足りません。現在おから入り豆乳が売っていますのでぜひ飲んでみてください。

14.まとめ

タンパク質を摂ることは体に最も重要なことといっても過言ではありませんが、どんな種類をどのように摂るのかが重要になります。

タンパク質の種類(動物性、植物性)とその特徴を知り、より体が美しく健康になる摂り方を考えていきましょう。

上手にタンパク質を摂ることで特に40代からのダイエットはぐっと効果が上がりますのでぜひ意識して実践してください。