ファスティング中に起こる好転反応の原因と対策について

ファスティングをすると頭痛や吐き気など体調の変化を感じることがあります。よく「好転反応」と呼ばれ、好意的な説明がされることが多いですが、そればかりとは限りません。ファティング中に起こりやすい好転反応の原因や対処法について詳しく解説したいと思います。

1.ファスティング中に起こる好転反応とは

頭痛

ファスティング中に「頭痛や吐き気、下痢、顔の吹き出物や肌荒れ」など体調に変化を起こしたことはないでしょうか?

ネットで調べても「好転反応だから気にすることない」と、体調不良は体が良くなっている証拠というようなことばかりが言われています。

これまで多くの人にファスティング指導をしてきましたが、好転反応が出る人と出ない人がいます。また出る人のほうが出ない人に比べて効果が高いというようなこともありません。

多くの人を指導してきた立場から結論を言うと、宿便と呼ばれる現象以外では、むしろ頭痛や吐き気などの好転反応が出ないほうが、快適なファスティングライフを送ることができ、より良い成果が見られます。

まずは好転反応が起こる原因や起こりやすい人、実際に起きた時の対処法を見ていきましょう。

2.好転反応の種類と起こる原因

 

好転反応が起こる原因の多くは日常の生活習慣とファスティングのやり方に問題があります。

(1)頭痛

  • 濃い味が好きで塩分摂取がおおい多い人
  • コーヒー、お茶類、コーラなどカフェイン摂取が多い人
  • 鎮痛剤を常用している人

比較的ファスティング1〜2日目に多い症状です。日常生活で上記のような習慣がある人などに起こりがちです。

(2)吐き気・嘔吐

  • 炭水化物が大好きでよく食べる
  • 甘いものが好きでよく食べる

ケトン体が作られ始める2〜3日目あたりに多く見られます。また頭痛からくる吐き気などは初日〜2日目でも起こることがあります。

普段から甘いものや炭水化物など糖質を多く摂っている人に起こりがちです。またファスティング中に脂肪の分解が進むとケトン体というエネルギー源が生成されます。

このケトン体が血液中に増えすぎると、ケトーシスが起こることがあります。ケトーシスが起こると「気分が悪い、吐き気、嘔吐、頭痛」といった症状が現れます。

普段から高カロリー・高糖質食で肥満気味の人は脂肪の分解も多く、ケトーシスを起こしやすくなります。

(3)下痢

宿便がくる際に下痢や腹痛が起きることがあります。宿便はファスティング4〜5日目の朝に来ることが多く緩く下痢のような便です。(必ずくるとは限りません。こないことも多いです)。

食べていないのに便が出ることが不思議に思われるかもしれませんが、宿便は腸内細菌の死骸などが大半です。また一部、腸内に滞留していた便が出ることもあります。

宿便は他の好転反応の症状と違い、非常に体が快適でスッキリした感覚になります。

(4)顔の吹き出物や肌荒れ

特に顔などに多く症状が出やすいです。日常生活でオメガ6系の油(サラダ油、コーン油、大豆油など、一般的な加熱調理に使われる油)を多く摂っている人に起こりがちです。

3.好転反応が起きやすい人

好転反応はファスティングのやり方や日常の食生活などで出方や症状の大きさが違います。

■日常生活の習慣

  • 普段から食べ過ぎ飲み過ぎ
  • 濃い味が好き(塩分摂取量が多い)
  • 炭水化物や甘いものが大好き
  • コーヒーなどカフェインを毎日摂る
  • 薬をよく服用する
  • 悪い油をよく摂っている

またファスティングのやり方も好転反応が起きやすくなる要因です。

  • 準備期を入れていない
  • 酵素ドリンクの質が良くない、もしくは市販の野菜ジュースや豆乳などで行っている

4.ファスティング中の好転反応の対処法

ファスティング中に体調の変化等が現れた時は、焦らず次のような対処をしてみてください。明らかに症状がひどい、軽減しない場合は無理をせず、ファスティングを中断したり、専門家に相談するようにしましょう。

(1)頭痛

ファスティングで塩分が急に制限され、血管が拡張されることや、ファスティング中の水分量が少ない場合に起こることがあります。

頭痛の症状が出たら、自然塩(岩塩や海水塩)をひとつまみ摂ったり、ドリンクの濃度を上げて飲んだりして様子をみましょう。

詳しくは「ファスティング中の頭痛は薬を飲んでも大丈夫?」をご覧ください。

(2)吐き気

ドリンクの濃度や飲む回数を少し増やしてみましょう。また吐き気はケトーシスの典型的な症状でもあるので、軽度の有酸素運動(ウォーキングや少し早歩き)を行い、エネルギーを消費することでも軽減します。

(3)便秘

ファスティング中は食物を摂らないので、便が出ないのは普通です。またお腹に力が入らず、便が出る感じはあるのに、出せない、と感じる人もいます。

回復期に食事を摂るようになると自然に出ますので、無理に出そうとする必要はありません。水分が十分でないと、より出なくなってしまうので、水はしっかり飲むようにしましょう。

(4)下痢

宿便に関しては特に対策等は必要ありません。外出時には少し注意してください(漏らしたら大変なので・・・)。

(5)顔の吹き出物・肌荒れ

排出期間である肌を通してデトックスが進んでいる時に起こる症状です。アレルギーやアトピーの人は一時的に症状が悪化することもありますが、徐々に症状も緩和されていくことが多いです。

かゆみや痛みがひどい場合はファスティングを中断してください。

(6)その他

好転反応とは少し違いますが、ファスティング中は冷えやすいという特徴もあります。摂取カロリーが少なくなり身体の熱生産量が減るためですが、普段から冷え性の方は防寒を意識してください。

ゆっくりお風呂に温まる、お白湯を飲むなどもおすすめです。

 5.好転反応は起きたほうがいい?

疑問

よくファスティングは好転反応が起きたほうがいい、好転反応は成功の証拠ということが言われますが、そうとも言い切れません。

ファスティング中は摂取カロリーの減少や強いデトックス作用が起こるため、身体の内外で様々な変化が現れます。いわゆる副作用のような感じで体が改善に向かっているような症状もありますが、そればかりではありません。

ファスティングのやり方次第で出ることもあったり、普段の食生活の習慣次第で起きる場合が多いからです。

5ー1.好転反応で出た方がよいのは宿便だけ

実際に頭痛や吐き気、肌荒れなどの好転反応が出た人のほうが出なかった人に比べて効果が高かったなんていうことはありません。

好転反応が出なくても適切な方法で行っていれば「デトックス・内臓の休養・ダイエット」といったファスティングの効果は出ています。

好転反応と呼ばれるようなもので起きたほうが良いのは宿便だけです。

5ー2.好転反応は仕事などに支障が出てしまう

現代のファスティングは普通の生活を送りながら行うホームファスティングが主流です。特別な施設で一定期間行うのではなく、自宅で普段の生活をしながらできるというメリットがあります。

私のファスティング指導を受け実践される方も仕事をしながらなど、普段と同じ生活をしながらファスティングをされています。

普段と同じ生活を送りながら実践しているので、本来であれば仕事などに影響が出ないよう、頭痛や吐き気などの症状は出ないほうが望ましいのです。

6.好転反応の緩和には正しい準備をすること

せっかくファスティングをしても、好転反応の影響で中断してしまっては元も子もありません。

好転反応は良くなっている証拠などというのではなく、頭痛や吐き気などは極力起きないに越したことはありません。

好転反応の緩和にはファスティングに入る前に準備期間を必ず設け準備することです。準備をきちんと行うことで、好転反応や空腹感の軽減をすることができるのです。

6ー1.準備のやり方

ファスティングをする日数と同じ日数行うのが理想です。スケジュール的に難しい場合は半分の日数で行うこともあります(3日間ファスティングをする場合、準備は2日)。

過去にファスティングを行って好転反応が強く出た人は、準備期間を少し長めにしてください(ファスティング期間の倍くらい)。

基本的なルールは以下のようになります。

  • 徐々に塩分量や食事量を減らしていく
  • 玄米や冷や飯、お粥など低CI値の炭水化物にする
  • NG食品は摂らない
  • 喫煙、飲酒は厳禁
  • 亜麻仁油を1日スプーン2杯摂る(直接飲む、サラダにかけるなど生食で)
  • 水を1日1L以上飲む
  • 最終日の夕食は20時までに終えるようにする

※NG食品
揚げ物、肉類、小麦食品、スナック菓子、甘いお菓子、コーヒーなどカフェインの入っているもの、清涼飲料水、乳製品

基本的には「まごわやさしい」を意識した食事を摂ってください。

ま:豆類
ご:種実類
わ:海藻類
や:野菜・果物
さ:魚介類
し:きのこ類
い:いも類

ファスティングは準備だけでなく回復期間も非常に重要になり必ず設ける必要があります。ファスティングの詳しいやり方については「ファスティングに必要な期間とダイエット効果の特徴とは?」をご覧ください。

6ー2.ファスティング中の注意

安価で手軽だからと、「市販の野菜ジュースや豆乳、ヨーグルト」などで行うケースをよく見かけますが絶対にNGです。

それではファスティングではなく、ただの極端なカロリー制限ダイエットなだけです。この場合、好転反応が起きやすいばかりでなく、「筋肉量減少・空腹感が強くなる・リバウンドのリスクが高まる・正しくデトックスされない」など、様々な弊害を及ぼしてしまいます。

7.好転反応に関してよくある質問や疑問

好転反応に関してよく聞かれる質問や疑問をご紹介します。

(1)体調が悪くなるのはファスティングが自分の体質に合っていないからですか?

ファスティング中に頭痛や吐き気、あるいは眠気やだるさなどが出る場合がありますが、体質とはあまり関係ありません。普段の食生活などの反動である場合が多いです。

(2)2日目あたりから頭痛がするのですが中断したほうがいいですか?

頭痛は急激な塩分制限による血管拡張で起こる場合があります。自然塩(岩塩など)をひとつまみ摂って様子をみてください。また水分補給もしっかり行うようにしてください(ファスティング中は1日2L以上の水を飲むこと)。

頭痛が治まらず、どうしてもつらいようでしたファスティングを中断しましょう。

(3)以前気持ち悪くなり途中でやめてしまったので、再挑戦が不安なのですが

前回吐き気や頭痛などの好転反応が強くでてしまった場合は今回は準備をしっかり行うことです。通常、ファスティング期間と同じ日数行うのが良いのですが、少し長めに取ってみましょう。

3日間ファスティングをする場合でしたら、5〜6日間。2日間ファスティングをするのでしたら、4〜5日ほど。

ファスティングの日数の倍程度準備期間を取ってみてください。その際徐々に減塩や、高GI値のものを制限していくようにしましょう。

8.まとめ

ファスティングで起こる好転反応は体が良くなっている証拠だけでなく、ファスティングのやり方が悪い可能性もあります。

単純に体が良くなっている証拠だなんて思わず、正しい方法でできているのかきちんと見直すようにしてください。

正しい原因や対策を知ることで、仮にファスティング中に好転反応などがトラブルが生じても、冷静に対処できます。

体のことですので正しい方法をしっかりと学んで行うか、もしくは専門家の指導のもとで実践することをおすすめします。