太らない体に欠かせない腎臓の健康

腎臓もダイエットには大きく関係します。それは腎臓の基礎代謝が約8%と内臓の中では大きな割合を占めているからです。腎機能の低下は基礎代謝低下を招き、太りやすく痩せにくい体質を作ってしまいます。(それ以前に健康上の問題が大きいですが)この記事では太らず良い体型を維持していくのに欠かせない腎機能について解説します。

1.腎臓の働き

腎臓

腎臓はそら豆のような形をしていて左右に1つずつあります。左右の腎臓には腎動脈が流れ込んでおり、心臓が送り出す全血液の約4分の1が常に送り込まれています。腎臓は主に以下の5つの働きにかかわっています。

1ー1.血液のろ過

腎臓は血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として体外に排出します。

1ー2.体液量・イオンバランスの調整

体内の水分には生命を維持する上で欠くことのできない塩分が溶けこんでいます。そして人間が生きていくためにはこの塩分量を一定に保つ必要があります。腎臓は体内に塩分量が増えすぎると排出し、逆に少なすぎると水分を多く排出して塩分濃度を保つ働きをしています。

また血液中の電解質の量を調整する働きもあります。電解質とは水に溶けて電気の導体となる性質を帯びた物質のことで、「ナトリウム、カリウム」などが代表的です。この電解質のバランスを調整している働きもあるのです。

1ー3.血圧の調整

腎臓には血圧を調整する働きもあります。血圧を上昇させるときにはレニン、下げるときにはカリクレイン、プロスタグランジンプロスタグランジンなどの物質が分泌され、血圧を正常に保っています。

1ー4.血液を作る

腎臓から出るエリスロポエチンは造血ホルモンとも呼ばれ赤毛球を作る働きをしています。

1-5.骨の強化

腎臓は食物から摂取されたビタミンDを活性型ビタミンDに変換する役割を担っています。活性型ビタミンDは腸でのカルシウムとリンの吸収を高め、骨や歯の成長促進や骨密度アップの働きをします。

サプリメントなどでビタミンDの過剰摂取は腎臓に過剰な負担をかけ、腎機能障害を起こすこともあるので注意が必要になります。

2.腎臓は基礎代謝の割合も大きい

腎臓がダイエットに影響すると聞くとほとんどの方が驚かれます。しかし腎臓は基礎代謝の約8%を占め、内臓の中では肝臓21%、心臓9%についで3番目に高いのです。(脳を除く)

基礎代謝低下を防ぎ高めていくことが、加齢に負けない良い体型を維持する重要なポイントですが、そのためには腎機能を低下させないことが欠かせないのです。

特に内臓は加齢に伴い機能が低下していきがちです。だからこそ40代以降など太りやすくなる年代からのダイエットは内臓に目を向ける必要があるのです。

筋トレを頑張っているのに基礎代謝が上がらない、思うようにダイエット効果が出ていないと感じたら、内面(内臓)に目を向けてみてください。(基礎代謝に重要な内臓は他には主に肝臓です)

3.腎臓の機能低下を防ぐ習慣

腎臓は肝臓のようにダメージを受けた細胞が修復してくれません。だからこそ、細胞を傷つけずダメージを与えないことが何よりも重要なのです。

3ー1.塩分を適切に摂る

腎臓には血圧をコントロールする大切な役割があります。塩分過多は高血圧の原因になりますが、血圧が上がると(高血圧)、腎臓の負担が増えます。そうすると腎臓の機能が低下し食事から摂取した余計な塩分を排出できなくなり、ますます血圧が上がる悪循環になってしまいます。

腎機能を低下させないために大切なことは減塩するというよりも適切に塩分を摂ることです。

  • 精製された塩ではなくミネラルなどが豊富な自然塩(岩塩、海水塩など)にする
  • 1日の摂取量を守る
  • 醤油、味噌などは添加物の入っていないものを選ぶ
  • 酢などの調味料を使う

1日の塩分摂取目安

男性(18歳以上)8g未満
女性(18歳以上)7g未満
※2015年厚生労働省

塩分量を抑えるワンポイント

塩分量の多い調味料(塩、醤油、味噌)の代わりに酢を使う。サラダのレッシングにはビネガーやバルサミコ酢など。また肉料理などには刻みピクルスなど。

3ー2.タンパク質を過剰に摂り過ぎない

健康的な身体の維持にタンパク質は欠かせませんが、近年のダイエットでは高タンパク質食を煽りすぎている感があります。脂肪分の少ない肉類などが低糖質低カロリーで太りにくい食品なのは確かですが、過剰摂取は腎臓に大きな負担をかけます。

タンパク質が体内でエネルギーとして使われると窒素化合物という老廃物が残ります。腎臓は老廃物を排出する働きがありますから、タンパク質を摂るほど腎臓の負担が大きくなるのです。

内臓自体もタンパク質でできていますし、タンパク質は人間の身体に最も重要といえる栄養素です。だからこそ、正しく適切な摂り方をしなければならないのです。肉類などの摂り過ぎはこの他、腸内環境の悪化や体臭悪化などの問題も引き起こします。

上手なタンパク質の摂り方

  • 動物性・植物性バランスよく摂る(動物性に偏らない)
  • 動物性タンパク質は脂分の少ないもの
  • 動物性タンパク質は魚を多く

タンパク質の摂取目安

  • 体重1kgあたり1.2g

一般成人の目安は1日あたり体重1kgに対し約1.2gです。筋力トレーニングを行っている場合は少し多めで1.3〜1.4gほど。

3ー3.適度な運動

激しく息がきれるほどハードな運動は逆効果になりかねませんが、適度な運動は血流を良くするので腎機能改善には効果的です。また日頃より階段を使う、歩く距離を増やすなど日常生活の活動量を増やすことも意識していきましょう。

全然疲れない、息も切れないし汗もかかないといった強度ではあまり効果は見込めません。自覚強度としてややきつい程度を意識して行うようにしましょう。

有酸素運動であれば早歩きから軽いジョギングくらいのペースで15分〜くらいから始め徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。

運動目安

筋トレ:腕立て伏せ、腹筋運動、スクワットなど大きい筋肉を使うエクササイズ
有酸素運動:早歩きからジョギング程度のペースで15〜20分
ストレッチ:ゆっくり伸ばす静的ストレッチを10〜15分。肩甲骨周囲や股関節周囲などを特に

3ー4.水分摂取

  • 1日あたりの水分摂取目安
    体重1kgあたり40〜50ml(そのうち食事で1L近くを摂取します)

水分不足は腎臓に大きなダメージを与えてしまいます。腎臓の大きな役割である老廃物の排出には水分が必要になります。十分な水分摂取がないと腎臓への血液量が減り、腎臓の細胞がダメージを受け腎機能が低下してしまいます。

現代では慢性的な水分不足(脱水状態)の人が数多くいます。水分摂取量の目安は体重1kgあたり40〜50mlほどです。(汗をかきやすい夏場などはもう少し多く)そのうちの1L近くは食事から摂取しますので、残りをミネラルウォーターなどでしっかり摂るようにしましょう。

水分補給のコツはこまめに飲むことです。こまめにひとくちふたくち飲む習慣をつけていきましょう。

特にお酒を飲んでいる人はアルコールの解毒に水分がたくさん必要になりますので、お酒を飲んでいる人はより水分摂取を意識してください。

3ー5.飲酒・喫煙

タバコに含まれるニコチンは血管収縮作用があり、血圧の安定に影響を及ぼします。それにより血圧のコントロールを担っている腎臓に負担がかかります。タバコを1日20本以上吸う喫煙者は、非喫煙者に比べて末期腎不全になる確率が2倍以上といわれています。

飲酒に関しては少量なら構いませんが飲み過ぎはNGです。(腎臓にかかわらず)体の機能を低下させないためにも上手にお酒と付き合っていく意識を持つようにしましょう。詳しくは「ダイエット中でも太らないお酒の飲み方のコツ」をご覧ください。

3ー6.サプリメントの過剰摂取

サプリメントは摂り方次第で体に悪影響を及ぼします。腎機能に関して注意したいのはビタミンDです。腎臓はビタミンDを活性型ビタミンDに変換する役割を持っています。ビタミンDを過剰に摂取すると腎臓の負担が増えてしまいます。

ただ通常の食生活でビタミンDの過剰摂取になることはほぼありません。サプリメントを摂取する際に過剰摂取にならないように注意してください。(サプリメントで摂る必要があるかもきちんと見極めなくてはいけません)

このほか注意が必要なのはプロテインです。ダイエット中の女性でもプロテインを摂取する事が増えてきていますが、私はダイエットをする上でプロテインを摂る必要はほぼないと考えています。食生活を正せばタンパク質は十分摂取できるので、プロテインを摂る必要までないからです。

仮に食事でタンパク質が足りないかなと思えば、プロテインでなくても豆乳にきな粉を混ぜたもので十分まかなえます。ダイエットにはプロテインが良い、という風習に惑わされないようにしてください。

4.まとめ

基礎代謝の割合も大きくダイエットに大きな影響を与える腎臓。基礎代謝を上げようと筋トレを頑張っているのになかなかダイエット成果が出ない・・・、そんな時は腎機能を考えた生活習慣を意識してみましょう。腎機能を高めることは確実に基礎代謝を高め、太りにくい体質をサポートしてくれます。